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バハマ

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僕は知らない バハマの夢を見ている 友達のフランスTシャツが透き通って 風の色をしている きみの願いを叶えてくれる広告塔は折れればいいや 音をたてろ 崩れていけ 輪になった手を離して 酸性の唾が溶かす、地下壕のあたりで落ち合う きみはコスモスのでっ…

詩歴

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主観で書ける経歴なんてげろの臭いしかしない だから 冷やした血を暴れ馬のようなろくろになする それでどうなるの、といえば どうもならない けど 馬蹄形の孤島に生まれ 歯抜けと、歪んだ後頭部を持ち、薄ら笑いで三歳から詩を書いていた 盗んだ金で動物の…

だれのこころにもない物語

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あした どこへもいかない あした 光を裂く 少女の透ける手の甲を歌う 飛びこみ台のくるぶしを歌う 少女が首筋にあてる、氷の影 舌にあまる言葉なら、じゃあ胸に抱いて 恥ずかしげもなくそれを恥じて ひとの薄い鎖骨を映していた、がらんどうのマイホームの白…